願いを叶える道具、そのようなものがあればとても魅力的だ。しかし、それは本当に手に入れたものを幸せにするのだろうか?
往々にして人はそのようなものを手に入れると、その能力におぼれていく。そしてその道具を保持し続けるか、捨て去るかの選択を迫られる。
昔話や神話の中でもよく語られるような話ではあるが、ある種の「骨董品」がそのような力を持ち(本編内では『アンティーク』と呼ばれる)、それらを扱う店があったなら……というのがこの本のお話。
数本の中編、短編というスタイルで描かれる話は非常に読みやすく扱う品も様々であり、アンティークを乱用するものとそれを止めようとする主人公刻也との知恵比べ的な要素も楽しめます。
この手の話ともなると結末は苦いものになりがちですが、ほっとするような話もあるところがポイントを上げているところかと思います。
ライトノベルのお約束として、朴念仁主人公刻也とヒロインの咲とのかみ合わないやりとりもアンティークによる災難がかみ合わさってちょいと面白いものになっているのもよいですな。
まだ発刊数の少ないシリーズとしては最近の一押しでしょう。
そういえば嫌悪感を覚えないツンデレヒロインは初めてかも。ちょいとツンデレとはいえないかとも思うが……。
ちまたにあふれているツンデレヒロインとやらはどうも自分的にはただの逆ギレ野郎(少女ですが)にしか見えないもので、ツンツンしているが主人公に当たりつらすことが少ないヒロインは新鮮だったりしますね。